今日の一曲(青野賢一):Jeanne Moreau “Un Entretien Avec Jeanne Moreau”

「晩秋」をテーマにした11月の第4土曜日の選曲で、普段の選曲よりも圧倒的に多かったのがフレンチものでした。Pierre Barouh『Le Pollen(邦題:花粉)』や、Brigitte Fontaine、Serge Gainsbourgの諸作(特に初期のもの)などはまさに終わり行く秋を感じさせるものであります。
フレンチもののジャズやシャンソンは、どうしてこうも秋にフィットするのでしょうか……。
そんな今回の選曲の中で、ご紹介するのはベルギーのレーベル「クレプスキュール」からの曲(フレンチものを期待された方、ごめんなさい!)。
名レーベルコンピ『From Brussels With Love(邦題:ブリュッセルより愛をこめて)』に収録されている「Un Entretien Avec Jeanne Moreau」という曲です。
このコンピレーションは1980年にカセットでリリースされ、1983年にレコードが発売されました。Drutti ColumnやBill Nelson、Thomas Dolby、Michael Nyman、Gavin Bryarsなど、ニューウェーヴ、ネオアコ、現代音楽を繋ぐ素晴しい内容で、発売当時も先鋭的なアーティストたちから絶賛されていたアルバムです。
紹介する曲は、Jeanne Moreauのインタビュー。後ろに聴こえるピアノはSatieの「Gnossiennes 5」と「Je te veux」(なので一応フレンチものですね)。まるで映画の一シーンのような楽曲は、秋から冬へのピリリとした空気に似合うものです。
このアルバム、日本盤レコードの推薦文を書いているのは鈴木慶一さん(MOONRIDERS)。先日、無期限活動休止を宣言したMOONRIDERSは、僕も中学校時代から好きで聴いてきたバンドで、解散ではないけれど、やはり一抹の寂しさはあります。そんなタイミングでのDJだったので、慶一さんが推薦文を書いているこのアルバムから選曲し、最後はお客さんの帰った後の店内でMOONRIDERS「女友達(悲しきセクレタリー)」をかけたのでした。

(青野賢一)

11月 30, 2011 by Tsurutani
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