今日の一曲(馬場一浩):Dustin Wong “Diagonally Talking Echo”

12月初旬、SPIRAL RECORDSの加瀬君から「あのダスティンのライブがあるよ。」とメールをもらった。
その数日後、murmur magazine編集長の服部みれいさんから「ダスティン・ウォンの音楽、良いよ。」と聞く。
へ~、あのダスティンがライブやるんだ。どんな音楽やるんだろう?と、SPIRAL RECORDSでのライブを観に行った。

僕がクラブキング在籍中、下馬にあったオフィスによく遊びに来ていた高校生のダスティン。
感受性豊かで才能溢れる3人の若者の中の1人だった絵描きのダスティン。
そんな彼が、まさかこんな素晴らしい音楽家になっているとは思ってもみなかった!
ライブでの印象は、高校生の時のまんま、ピュアなまんま。
大量のエフェクターを駆使し音を積み重ねて音楽を紡ぎ出して行く。
天真爛漫な性格を物語るような煌めく音楽が大変心地いい。

そんなライブの最後に演奏されたのが、この曲。
ライブ中ずっと椅子に座って俯きぎみに奏でる音に没頭しているダスティンが、
急に立ち上がったかと思いきや、怪しげに身体を揺らし、飛び跳ね、顔を真っ赤にさせながら叫ぶ。
ダスティン・ウォンという名前から分かるように彼には中華の血が流れる。
その叫び声には、彼のDNAに刻まれているのだろう中国の雲南省あたりの山岳民族の歌唱を感じさせるのである。
野生に戻ったかのようなその心からの叫びは、2011年暮れに出会ったサプライズでありました。
この曲を聴いて思いました。自分ももっと野性的にならなければと。

(馬場一浩)

Dustin Wong – Diagonally Talking Echo from Thrill Jockey Records on Vimeo.

*Dustin Wongの新作『Dreams Say, View, Create, Shadow Leads』は1月18日リリースです。

1月 16, 2012 by Tsurutani
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