今日の一曲:Sun Araw, M. Geddes Gengras meet The Congos “Happy Song”

梅雨空の合間を縫って顔を覗かせた太陽が注いだ6月23日のNEWSOUNDは、そうした天気を受けて、少し南国に寄せた、エキゾティックな音楽を中心に選曲してみました。Xavier Cugatら戦前のラテンジャズにはじまり、ヴィンテージ・ハワイアンやハイライフその他のアフリカ音楽、古いスティールパンものの音源、香港の女性ボーカルが歌うオールディーズ、そして久しぶりにレゲエもプレイ。レゲエと言っても初期Aswadや、Carl CraigによるThe Congos「Congo Man」のリミックスなどのスモーキーな楽曲、Ozo(「Anambra」という曲がガラージ~ロフト的には有名なグループ)やFun Boy Threeなどの変わり種レゲエばかりでしたが…。
エキゾティックなムードと、ちょっと煙たいサウンドがいい具合にブレンドされてきた頃にかけたのが、今回紹介する「Happy Song」です。この曲が収録されているアルバム『Icon Give Thank』は、レーベル〈RVNG〉がリリースする、新旧アーティストによる共作シリーズ「Frkwys」のなかのひとつ。LAのサイケデリック~チルウェーヴ~実験音楽シーンで活躍するSun ArawとM. Geddes Gengrasが、The Congosを訪ねてジャマイカに赴き、現地で制作を行ったものです。一聴すると、とてもダビーな印象ですが、ダビーと言うよりはむしろトリッピーでサイケデリック色が強い、靄がかかったような音像が全篇を支配するこのアルバムの中でも、「Happy Song」は、The Congosのボーカルに亡霊が集まってきて、ラップ現象を起こしているような曲と言えるでしょう。YouTubeには、制作風景のトレイラー(アルバムにはこのフルバージョンDVDが付属)もあるので、併せてご覧になってみてはいかがでしょうか。モクモクモクモク……
(青野賢一)

6月 26, 2012 by Tsurutani
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