今日の一曲 : Hassan Hakmoun “larmame”

最近聴いたものの中で最もインパクトがあった曲。
モロッコのグナワを皆さんご存知でしょうか?僕も専門家の諸先輩の方々のお話を聞いて知っているだけなので、偉そうな事は言えませんが、グナワとはモロッコの音楽のひとつです。ゲンブリという3弦のベース楽器と、鉄製のカスタネットのカルカベと手拍子、そして声というシンプルな編成で演奏されるものです。これが一度聴くと病みつきになる中毒性の高い音楽なんですよ。というのもこのグナワ、現地ではトランス音楽として、悪霊にとりつかれた人の精神的治療のために演奏されるというもの。そして、もうひとつ、トランス状態になることで神とのコミュニケーションという手段でもあるそうです。これは是非とも現地で実際に体験したいものだと僕は思っています。毎年6月にはモロッコのエッサウィラというところでグナワ・フェスティバルが開催されます。開催中は真昼間から明け方にかけてライブがひっきりなしに行われるようです。生きてるうちに一度は参加してみたいイベントの一つです。
 
さて、今回紹介するアーティストHassan Hakmounに関してですが、この人、実は昨年11月に来日ライブを行っています。しかも、日本人女性とご結婚されて、そのウェディング・アフター・パーティーとしてライブしています。僕もそのライブに誘われていたのですが、面識もない方々の結婚式のパーティーに参加するのも気が引けると思ってご遠慮した次第なんです。が、この曲を聴いて大変後悔しているわけです。これは生で聴きたかったと。。しかも、ウェディング・アフター・パーティーのノリだから略式的なものなのだろうと高を括っておりましたら、ライブ後のお話を聞くところによると、ガッツリ本格的なライブをやったそうです。。日本人女性と結婚されたということですから、また日本にいらしてライブしてくれることを切に願っています。

そして、紹介したこの曲ですが、Hassan Hakmounが1988年にニューヨークで行ったライブの模様です。この演奏で聴かれるトランペットの音色は、Don Cherryです。これも最高なライブなんですよね。このライブ盤『Spirit』は発売されたばかりです。(Don Cherry参加の曲は1曲のみ。)これを聴いてHassan Hakmounが気になった方、グナワという音楽に興味を持たれた方、是非CDをお手に取ってみてください。そして、トランスしてみてください。

(馬場一浩)

1月 16, 2013 by Tsurutani
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