毎月第二土曜日の夜にNEWSOUNDでレギュラーDJをやってくれている馬場一浩君が先週プレイしていて、自分も含めてその場にいた三人が思わずオンラインで即購入してしまったアルバムがありまして、今日はその中から一曲紹介します。その作品とは、スウェーデン出身のJoel Danell（ヨエル・ダネル）がMusetteという名義でリリースした3枚目のアルバム『A Cosmic Serenade』で、オリジナルはスウェーデンのHäpnaから、日本盤がInpartmaintから10月29日に出たばかり。Musetteとはいうものの、フランスの音楽ジャンルのミュゼットとは直接関係ないようです。どこかノスタルジックで、ユーモアもあってストレンジ、そしてアナログ・シンセのサウンドや映画音楽／イージーリスニング的なアレンジがとてもユニーク。アルバム冒頭のトラック “Moonquake” がもっともそれを表していると思います。個人的には初期のJimi Tenorを思い出しました。北欧の感性ってやっぱり独特ですね。Soundcloudで聴けるMusetteのセカンド・アルバム『Drape Me in Velvet』からの曲 “Coucou Anne” もかなりの名曲であることを付け加えておきます。

『A Cosmic Serenade』 Tracklist:

1. Moonquake
2. Apocalypso
3. All We Got Is Uz
4. Cumbia De Giza
5. Wiener Futurismo
6. Cannibal Detox
7. Send In The Clown Clones
8. Gamma Flash (* Bonus Track for Japan Only)

アンダーグラウンドなバレアリック〜ディープ・ハウス・シーンでここ数年カルトな人気を博しているLAの三人ユニット、Pacific Horizons。生音とエレクトロニクスを程よく融合して、いわゆる典型的なバレアリック・サウンドよりも一歩進んだオリジナリティーを確立しています。話題となったBeing Borings (Kenji Takimi & Tomoki Kanda) らによるリミックス盤を挟んで、オリジナルとしては約2年ぶりだという新作『The Loneliness Your Love Destroys EP』が今週あたりから日本のヴァイナル・ショップに並んでいますが、これがさらなる進化を見せていて、ダンスミュージックのリスナー以外も要チェックです。まるでDurutti Column meets DJ Harveyとでも形容したい涼しげなギターや気だるいボーカルをフィーチャーしたフォーキー・バレアリックで、それでいて暗さがないのが好みです。さすがLA。12インチを買い逃した、またはデジタルでいいという人は彼らのBandcampからどうぞ。

『Loneliness Destroys』 Tracklist:

A1. When The Shades Open
B1. The Loneliness Your Love Destroys
B2. Into The Night

USで大ブレイクを果たしたポップでインディーなヒップホップ・デュオ、Macklemore & Ryan Lewisがセカンド・アルバムに先駆けてリリースしている新曲がなかなかすごいことになっています。シンガーソングライターのEd Sheeranをフィーチャーした “Growing Up (Sloane’s Song)” しかり、Melle Mel、Kool Moe Dee,、Grandmaster Cazといったオールドスクール・レジェンドたちをフィーチャーした “Downtown” しかり、イキのよさとポップソングとしてのクオリティーがこのレベルで両立しているのはちょっと驚きです。そして今度は、2015年最大の収穫というべきソウル・シンガーLeon Bridgesをフィーチャーした “Kevin” を公開。ストリートなリリックととサザン・ソウルの融合、そしてLeon Bridgesが歌うフックが最高です。