以前にこちらでも紹介したCuusheのニューEP『Girl You Know That I Am Here But The Dream』がリリースされ、その中からもう一曲 “I Dreamt About Silence” が公開されています。このEPは新曲3曲と前作からのリミックス8曲を収録していて、Julia HolterやTeen DazeなどUSインディー/チルウェイヴ系の旬なアーティストのリミックスも聴き所。6月24日(日)には原宿のVACANTで行われるレーベル・ショーケース、「flau night in tokyo」でCuusheのライブもあります。前回見たライブが相当良かったのでこれは楽しみ。
今日の一曲 : Cat Power “Ruin”
Cat Powerの待望のニュー・アルバム『Sun』はMatadorから9月4日にリリース。カヴァー集だった『Jukebox』以来4年ぶり、オリジナルとしては『The Greatest』以来6年も経つのか。そして最初に公開された “Ruin” を聴いてびっくり。こんなCat Power聴いたことない。でもいい!なんでもアルバム完成と同時に長年のボーイフレンドと分かれてしまったそうで。。プロデュースはCat PowerことChan Marshall本人で、ミックスはなんとPhilippe Zdar(フランスのハウス・プロデューサー。最近ではKindnessも彼のプロデュース)。アルバムもどんなことになっているのか本当に楽しみです。
Tracklist:
01 Cherokee
02 Sun
03 Ruin
04 3,6,9
05 Always on My Own
06 Real Life
07 Human Being
08 Manhattan
09 Silent Machine
10 Nothin But Time
11 Peace and Love
Produced by Chan Marshall
Mixed by Philippe Zdar
今日の一曲 : Tones On Tail “Lions”
6月16日のNEWSOUNDはMakiちゃん (Liveloves) がDJでした。後半にかけていたダブっぽいニューウェーブがどれも刺激的だったのですが、もっとも耳に残ったのがTones On Tailというバンド。全然知らなかったのですが、BauhausのDaniel Ashのサイド・プロジェクトなんですね。活動期間は’82年から’84年までで、この後にLove And Rocketsを結成。シングルは何枚か出ているのですが、アルバムは’84年の『Pop』のみ。Makiちゃんがかけていた “Lions” はこのアルバムの1曲目に入っています。ほかの曲もYouTubeでほとんど聴けますが、どれもヤバいですね。『Pop』収録曲とシングル曲のすべてを網羅したベスト盤『Everything』がCDで、アルバムとシングルの代表曲に未発表テイクを加えたベスト盤『Weird Pop』が2枚組ヴァイナルで出ています。
今日の一曲 : David Byrne & St. Vincent “Who”
以前から話題になっていた凄い組み合わせのコラボレーション、David ByrneとSt. Vincentの共作アルバムの詳細が発表されました。タイトルは『Love This Giant』で4ADから9月11日にリリース。12曲中10曲は共作で、ボーカルもほぼ半分ずつの割合で歌っているようです。この二人でツアーもするそうなので、かなり本気のプロジェクトなんですね。ストリーミング公開されたアルバム1曲目の “Who” を聴けばその本気度合いも分かるってもんです。
ダウンロードもできます。
TRACKLIST:
01 Who
02 Weekend in the Dust
03 Dinner for Two
04 Ice Age
05 I Am an Ape
06 The Forest Awakes
07 I Should Watch TV
08 Lazarus
09 Optimist
10 Lightning
11 The One Who Broke Your Heart (ft. The Dap-Kings and Antibalas)
12 Outside of Space & Time
今日の一曲 : Filastine “Colony Collapse”
今春リリースされたFilastineの最新作『LOOT』からの一曲。エレクトロニクスと様々な生打楽器を上手く融合した音楽がカッコいいです。2009年に来日ライブを観たんですが、これまたカッコよかった。音源を聴いた時は、プログラミングで作られた音楽と思っていたのですが、ライブを観てビックリ!打楽器類はすべて生演奏。しかも、その叩く楽器に、いろんなモノが連動していて、後ろのスクリーンの映像もリンクしている。その演奏される打楽器は、中東の打楽器ダラブッカだったり、ブラジルのサンバでよく見かけるスルドなどなど民俗楽器、極めつけは、スーパーマーケットのショッピングカートだったりを使って世界の様々なリズムを生み出していました。
このFilastine 、バルセロナを拠点に活動するミュージシャンなんですが、タブラは、ザキール・フセインに師事したり、リオでサンババンドのメンバーとしても活動するなど凄腕の打楽器奏者なんですね。とにかく、世界各地の音楽を吸収して昇華したFilastineの音楽、面白いです。活動家としても積極的に世界各地で活動していて、彼の音楽と映像から、世界のいろんな問題を知る事が出来ます。この最新作と前作『DIRTY BOMB』には、日本からECDさんが参加しているのも聴きどころの一つです。
(馬場一浩)
今日の一曲 : Jack Sheldon “Almost In Love With You” (from “Love Streams”)
渋谷のイメージフォーラムで開催中の「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」に行って、まずは2本観てきました。初期の傑作『フェイシズ』(’68年作品)と、カサヴェテス映画の集大成とも言われる『ラヴ・ストリームス』(’84年作品)。特に後者はDVD化されておらず、19年前の回顧上映で観て以来だったので、個人的には今回の大本命。『ラヴ・ストリームス』の作品自体は自分の記憶の中での評価を遥かに上回る素晴らしさで、ぜひもう一度観に行きたいと思っているのですが、昔観た時からずっとメロディーが頭の中に残っている本編でかかる曲のクレジットを今回やっとエンドロールで確認できました。カサヴェテス映画のために制作されたロマンティックなスロー・ナンバーで、歌うのはジャズ・トランぺッター兼シンガーのJack Sheldon、作曲は音楽監督のBo Harwoodとカサヴェテス自身。レコードにはなっていないみたいですね。こんなチャーミングなシーンでかかる曲です。
「ジョン・カサヴェテス レトロスペクティヴ」はシアター・イメージフォーラムで6月29日(金)まで。これを逃すと『ラヴ・ストリームス』は次にいつ観られるのか・・・
今日の一曲 : Jens Lekman “Erica America”
しかし9月は楽しみなアルバムがいろいろ出ますね。スウェーデンのシンガー・ソングライター、Jens Lekmanの新作『I Know What Love Isn’t』は9月3日のリリース。EPとしては昨年『An Argument With Myself』が出ていますが(意外とトロピカルでダンサブルだった)、アルバムとしては2007年の『Night Over Kortedala』以来5年ぶり。新作から “Erika Amerika” が公開されましたが、相変わらず曲がいいですね。今回もノスタルジックなポップ・アルバムを期待してしまいます。
TRACKLIST:
01 “Every Little Hair Knows Your Name”
02 “Erica America”
03 “Become Someone Else’s”
04 “Some Dandruff On Your Shoulder”
05 “She Just Don’t Want To Be With You Anymore”
06 “I Want A Pair of Cowboy Boots”
07 “The World Moves On”
08 “The End Of The World Is Bigger Than Love”
09 “I Know What Love Isn’t”
10 “Every Little Hair Knows Your Name”
今日の一曲 : Calexico “Para”
CalexicoがAnti-に移籍して4年ぶりのアルバム『Algiers』を9月11日にリリース。Calexicoといえばアリゾナのバンドで、その土地自体が音楽性に大きな影響を与えていた訳ですが、今回は制作の場をニューオーリンズに移して曲作りやレコーディングがされたようです。ビデオが公開された “Para” はちょっとダークなルーツ・ミュージックといった雰囲気ですね。
Track List:
01. Epic
02. Splitter
03. Siinner in the Sea
04. Fortune Teller
05. Para
06. Algiers
07. Maybe on Monday
08. Puerto
09. Better and Better
10. No Te Vayas
11. Hugh
12. The Vanishing Mind
今日の一曲 : Anthony Adverse “The Red Shoes Waltz”
6月2日のNEWSOUNDは久しぶりにTwee Grrrls ClubのスミレちゃんがDJでした。意外にも60年代のR&Bやノーザン・ソウルが多くて、相変わらず引き出しの多さにびっくり。そして80年代のジャジーなネオアコやファンカラティーナが夏らしくて良かった。Paul Howard & Joe Clackの “The House We Live In” という曲 (『Unification EP』より)が耳に残ったのですが、残念ながらストリーミングが見つからなかったので、今日の一曲はAnthony Adverseの “The Red Shoes Waltz”。スミレちゃんが実際にかけていたのは “The Garden Of Eden” という曲ですが、これもリンクが見つからなかった。どちらも同じ『The Red Shoes』というアルバムに収録。ネオアコ・レーベル、él recordsを代表する’88年の作品で、Loius Philippeが全面的に楽曲を提供&プロデュースしています。