以前にこちらでも紹介したロンドンのシンガー/プロデューサー、Kindnessのアルバム『World, You Need a Change of Mind』をやっと入手したのですが、これが本当に素晴らしくて毎日リピートしています。Adam Bainbridgeのソロ・プロジェクトで、彼自身とフレンチ・ディープ・ハウスのヴェテラン、Philippe Zdar (Cassius, Motorbass) が共同でプロデュース。リヴァーブの効いた儚げなヴォーカルはどことなくArthur Russellを思わせ、単なるトレンドとは一線を画す洗練されたシンセ/ディスコ/ジャズで基本的には歌ものであるところにも実力を感じてしまいます。下のリンクの “Anyone Can Fall In Love” なんて、原曲は80年代のテレビドラマ『EastEnders』のポップな主題歌でそれがこんなにも官能的に生まれ変わるなんてちょっと驚きました。ヴァイナルは重量盤でダウンロード・コード付きです。
今日の一曲 : Bullion “It’s All In Sound”
以前にこちらでも紹介したロンドンのプロデューサー、Bullionが、ニューEP『Love Me Oh Please Love』をリリース。R&Sからのシングルは鮮烈なダンストラックでしたが、今回の6曲(ヴァイナルには5曲のみ収録)はすべてソング・オリエンテッドでしかも相変わらずユニーク極まりない。全曲素晴らしいですね。ちなみに “The Age Of Self” はRobert Wyattのカヴァー。ぜひフル・アルバム単位でたっぷりと聴いてみたいものです。
今日の一曲:Beak> “Yatton”
3月にヒップホップ・ユニットQuakersとしてアルバム『Quakers』を出したばかりのPortisheadのメンバー、Geoff Barrow率いる3人バンド、Beak>が6月にセカンド・アルバム『>>』をリリースするようです。そこからの最初のトラック “Yatton” が公開されていますが、もろにクラウト・ロックでかっこいい。今回も3人で一発録りなんでしょうね。アルバムに期待が高まります。
5月のNEWSOUNDスケジュール
NEWPORTの毎週土曜のDJイベント、NEWSOUNDの4月のスケジュールです。
5/05 鶴谷聡平 (NEWPORT)
5/12 馬場一浩
5/19 Ako (Petit Classico)
5/26 青野賢一 (BEAMS RECORDS)
21:00 – 24:00
Charge free.
Enjoy music.
*NEWSOUNDとは
様々な選曲者を迎え、通常営業のNEWPORT店内が最高の音楽で彩られます。チャージフリーですので、いつもどおりお食事やワインをお楽しみ頂けます。
今日の一曲 : Bobby Womack “The Bravest Man In The Universe”
Damon AlbarnとRichard Russell (XL Recordings) がプロデュースしたBobby Womackのニュー・アルバム『The Bravest Man In The Universe』が6月12日にリリース。既に “Please Forgive My Heart” が公開されていますが、アルバムから新たにタイトル曲が聴けます。またもやエレクトロニックな今っぽいトラックに御大の激渋なヴォーカルが乗るという、ハイブリッドなソウルに仕上がっていますね。
アルバムのメイキング映像を見ると、彼自身新しいコラボレーションを相当楽しんでるみたいです。それにしてもLana Del Reyが参加した曲がどんなことになっているのか気になります。
今日の一曲 : Cuushe “Do You Know The Way To Sleep”
4月30日にVACANTで行われたイベント、FOUNDLANDで真っ青としてDJをやらせて頂いたのですが、そこに出演していたCuusheという日本のアーティストが物凄く良くてびっくりしました。儚いヴォーカルとメランコリックなギターは本人が担当し、サポートの2人がシンセやサックスで加わっていたのですが、ただドリーミーなだけではないディープでサイケデリックな音像には飛ばされてしまった。。flauから一枚アルバムが出ているのですが、さらに進化した彼女のサウンドは自身のSoundCloudで一曲聞くことができます。この “Do You Know The Way To Sleep” を含む新曲3曲とリミックス8曲を収録した200枚限定のCDR『Girl You Know That I Am Here But The Dream』がライブで販売されていて、他の新曲もかなり良かったので今後も注目です。
今日の一曲 : CFCF “Exercise 3 (Building)”
モントリオールのプロデューサー、CFCFの新作EP『Exercises』が出ました。今日ヴァイナルが届いたのですが、ほんとに全曲素晴らしいです。これまでのチル・ウェイヴ的な作風とは違って、彼のメランコリックな部分だけを抽出したかのようなピアノやシンセ中心のミニマル〜アンビエントなトラックばかりを8曲収録(”Exercise 5 (September)” のみDavid Sylvianのカヴァーで歌ものです)。レーベルのSoundCloudに上がっている “Exercise (Building)” はまさにそのハイライト。
今のところリリースはヴァイナルのみのようですが、Faderのサイトで『Exercises』のフル・ストリーミングが可能です。
今日の一曲(DJ Nozaki): Lemon Kittens “Kites”
4月21日のNEWSOUNDは、マニアックなMix CDやリエディット作品でカルトな人気を誇るDJ Nozakiが登場。この日もストレンジでいてパーティー感のある選曲が最高でした。CloutやSteely Danのロック・レゲエも良かったのですが、ヤバい音色がひと際目立っていたLemon Kittensは驚きでした。70年代後半から80年代初頭に活動したエクスペリメンタル・ポスト・パンクで、このシーンの重要人物だというKarl BlakeがDanielle Daxをヴォーカルに迎えたユニット。アルバムが2枚出ていますが、この “Kites” は80年の12インチ『Cake Beast』に収録されています。
今日の一曲:Simone White “In The Water Where The City Ends”
LAを拠点にし、ロンドンのHonest Jon’sからアルバムを2枚出しているシンガー・ソングライター、Simone Whiteの新作『Silver Silver』が5月22日にリリース。2009年12月に行ったNEWPORTでのアコースティック・ライブが忘れられないだけに、これは本当に楽しみです。前2作はピュアなフォーク・アルバムだったのですが、今回は同じLAのインディー・バンド、Fol Chenがプロデュース。Spinでプレミア公開されている “What The Devil Brings” を聴くと、バンド・サウンドやエレクトロニクスも導入してかなり今っぽい音になってますね。でもこの路線も彼女に合っていて僕は好きです。アニメーションのビデオクリップが上がっている “In The Water Where The City Ends” はかなりフォーク寄りですが、これも今までにはないサイケデリックな質感がいいですね。