しかしChilly Gonzalesのソロ・ピアノは人気ですね。来年2月20日の来日公演も即完売して、追加公演が決定したタイミングでゴンザレスからクリスマス・メドレーが届きました。しかもマイナー音階。さすがです。フリーダウンロードもあります。
今日の一曲 : Villalobos “Fizheuer Zieheuer”
今回のDJでは少々、昔のレコードを棚から引っ張り出してかけてみました。
その中でこの曲。久しぶりに聴きましたが、いつ聴いてもヤバいとしか言いようのない名曲です。
僕はレコードでしか持っていませんが、レコードだと曲がパート1と2でA面とB面に分かれていますが、
CDだとこれが繋がっていて全体で37分におよぶ楽曲なんです。
ミニマムな金属的なビートのループに時折ホーン隊のファンファーレが入ってくるとこが変態的であります。
そして、曲尺的にはクラシックの交響曲のような長さでありながら、全体を通して曲調の大きな展開がない。
その淡々としたストイックさにファンファーレが不規則に入って来るからずっと聴いていると頭がおかしくなりそう。
最高傑作です。
これからもたまにかけたいと思います。
今回のDJを一部抜粋してmixcloudにアップしていますので、
この曲を含めどんな選曲か聴いてみてください。
http://www.mixcloud.com/kazuhirobaba5/128newport/
(馬場一浩)
今日の一曲 : Rhye “The Fall (Maurice Fulton Alt Mix)”
2枚のシングルにすっかり魅了されっぱなしのLAのソウルフル・ユニット、Rhyeが待望のデビュー・アルバム『Woman』を3月にリリースするというニュース。これまでは素性が明かされていなかったRhyeですが、Pitchforkのインタビューによれば、このSadeにも例えられるシルキーな女性ヴォーカルはなんと男性によるものでした。かつてPlug ResearchからMiloshとしてリリースしていたMike MiloshがRhyeのヴォーカルで、Quadronというユニットで活動していたデンマーク人プロデューサーのRobin Hannibalとのコラボレーション・プロジェクトとして2年前からLAで活動を開始。極上の女性ヴォーカルものだと思っていただけにこれは驚きです。近々Maurice Fultonによるリミックス・シングルも出るみたいでそちらも楽しみ。
今日の一曲 : Nautic “Fresh Eyes”
最近Honest Jonsから出たElmore Juddとのコラボ・シングルも良かったBullionことNathan Bullionが、シンガーのLaura GrovesとYoung TurksのTicの3人で始めた新ユニットがNautic。先月から音が公開されていたシングル『Fresh Eyes / Fixxx』がやっとリリースされたのですが、これがまた絶妙なアーバン・ポップで素晴らしい。生音のサックスやピアノ、シタール風の音色、そして男女のヴォーカルが独特に絡み合う “Fresh Eyes” が特に名曲。7インチとデジタルでリリースです。
“Fresh Eyes” のビデオはなぜか猫オンリー。
今日の一曲 : Raymond Scott “Lightworks”
先週のNEWSOUNDでBYTのミオちゃんがかけていたRaymond Scottの “Lightworks”。言わずと知れたJ Dillaネタですね。Raymond Scottは元々作曲家ですが、50年代から自作の楽器で電子音楽をやっていた人。”Lightworks” は2000年にリリースされた2枚組の『Manhatan Research Inc.』に収録されています。(TOWER渋谷の5階を思い出すなぁ・・・)
そしてJ Dillaがまんまサンプリングした同タイトルの “Lightworks” を収録したヒップホップの金字塔『Donuts』が、なんと7インチ8枚組のボックスで1月15日にリイシュー!(予約しました。)
今日の一曲 : Telex “My Time”
12月1日のNEWSOUNDはBuffalo Daughterのムーグ山本さんとBYTのミオちゃんという異色コンビがDJでした。前半はしっとりめで、後半はテンション上がってニューウェーブやシンセポップが多かったのですが、ムーグさんが後半の一曲目にかけたTelexの “My Time” が特に印象に残っています。オリジナルはイタリア人シンガー/モデルのAnn Steelによる’79年のシンセポップで、Telexは’80年のアルバム『Neurovision』でこの曲をカバー。どちらのヴァージョンも良くて甲乙付けがたいですね。Ann Steelの方は、プロデューサーのRoberto Cacciapagliaの名義になり、アルバム・タイトルも『The Ann Steel Album』と微妙に変更されてリイシューされています。このアルバムはAnimal CollectiveのAvey Tareがピックアップしたことも手伝って最近人気が再燃したらしく、ヴァイナルでも出るようです。
今日の一曲 : Julia Holter “Goddess Eyes II”
間違いなく2012年の年間ベストのうちの一枚に入るであろうLAのアヴァン・ポップ・アーティスト、Julia Holterのアルバム『Ekstasis』がDominoから12月3日に再リリースとなり、そのアルバムから個人的に一番好きだった “Goddess Eyes II” が12月10日に12インチでリリース。ビデオが公開されました。“I can see you but my eyes are not allowed to cry“ という歌詞がギリシャ悲劇から取られていて、このクリップはその内容から触発されているそうです。悲劇というよりもユーモアたっぷりでいいですね。
“Goddess Eyes” 12″ tracklist:
01. Goddess Eyes 1
02. Goddess Eyes 2
03. Goddess Eyes (Echo Manor Version)
04. Betsy on the Roof (Echo Manor Version)
今日の一曲 : Nicolas Jaar & Theatre Roosevelt “The Ego”
それにしてもNicolas Jaarはこれまでのところ何をやってもハズレなし。アルバムとしてはまだ2011年の『Space Is Only Noize』(傑作)しか出していませんが、その後のシングルやリミックスはどれも秀逸で、最近のトレンドとは微妙に距離を置きながらもどこか新しい、独特のスタンスのエレクトロニック・プロデューサーです。Theatre Rooseveltなる名義との連名でSoundcloudで公開された新曲 “The Ego” も、音数の少ないビートとシンセに加工した声ネタが乗ったクセになるトラック。現在フリーダウンロード中です。
12月のNEWSOUNDスケジュール
NEWPORTの毎週土曜のDJイベント、NEWSOUNDの12月のスケジュールです。
12/01 moOog yamamOTO & Mio
12/08 馬場一浩
12/15 永井祐介 (VACANT)
12/22 青野賢一 (BEAMS RECORDS)
12/29 高木慶太
21:00 – 24:00
Charge free.
Enjoy music.
今日の一曲 : Wall “Something On Your Mind”
Pitchforkの記事で知ったWallという名のロンドンのシンガー・ソングライター。『Magazine』という7インチで今年デビューした彼女ですが、最近発表したKaren Daltonの大名曲 “Something On Your Mind” の削ぎ落とし系カヴァーがとても良いです(フリー・ダウンロードあり)。過去にはSupremesの “Where Did Our Love Go” のカヴァーもやっていて、こちらの削ぎ落とし方もかなり心得ている感じ。WallのSoundcloudで聴けるオリジナルもいいので要チェックです。