“Banana Wine” などストレンジ・ダブ・ポップな作風で知られるモーリシャス出身のプロデューサー、Mo KoloursのEP三部作の三枚目となる『Tusk Dance』が2月24日にリリース。収録曲 “Promise” が既に公開されていて、今回は直球にJohnny Osbourneのスタジオ・ワン・クラシック “Jah Promise” のカヴァーです。もっともサウンドは直球ではなく、耳慣れないパーカッションの音色と力の抜けたヴォーカルがいかにもMo Koloursらしい憎めない感じのトラックに仕上がってます。ダウンロードあり。
今日の一曲 : Devendra Banhart “Für Hildegard von Bingen”
昨年の来日公演も素晴らしかったDevendra Banhartが、2009年の『What Will We Be』以来となる新作『Mala』をNonesuchに移籍して3月12日にリリース。そこから “Für Hildegard von Bingen” が公開されました。この短い一曲だけでは何とも言えない感はありますが、久しぶりのアルバムだけに期待せざるを得ませんね。デヴェンドラと彼のライヴ・バンドのメンバーでもあるNoah Georgesonの共同プロデュースで、デヴェンドラのLAの自宅スタジオでレコーディング。アートワークは今回もデヴェンドラ自身によるペインティングです。
“Mala” tracklist:
01. Golden Girls
02. Daniel
03. Für Hildegard von Bingen
04. Never Seen Such Good Things
05. Mi Negrita
06. Your Fine Petting Duck
07. The Ballad of Keenan Milton
08. A Gain
09. Won’t You Come Over?
10. Cristobal
11. Hatchet Wound
12. Mala
13. Won’t You Come Home
14. Taurobolium
1月のNEWSOUNDスケジュール
NEWPORTの毎週土曜のDJイベント、NEWSOUNDの1月のスケジュールです。
1/12 馬場一浩
1/19 武藤祥生 (RADIO EVA)
1/26 YMOナイト 選曲:青野賢一 (BEAMS RECORDS)、mio (BYT)、MIHO
21:00 – 24:00(1/26のみ20:00 – 24:00)
Charge free.
Enjoy music.
今日の一曲 : Shuggie Otis “Aht Uh Mi Hed”
Shuggie Otisの未発表音源集が出るらしいという話は何となく聞いていましたが、ようやくその詳細が明らかに (via Consequence Of Sound)。サイケデリック・DIY・ファンクの傑作として名高い’74年のサード・アルバム『Inspiration Information』に当時の未発表音源を4曲追加し、さらに’75年から2000年にかけての未発表曲やライヴ音源14曲からなる『Wings Of Love』をカップリングした2枚組『Inspiration Information/Wings of Love』として4月16日にリイシューとなります。
Shuggie OtisはR&BミュージシャンのJohnny Otisの息子として生まれた早熟の天才ギタリストで、12歳でプロ・デビュー。15歳の時にAl KooperのSuper Sessionにフィーチャーされ、17歳でファースト・ソロ・アルバム『Here Comes Shuggie Otis』をリリース。’71年の “Strawberry Letter 23” を含むセカンド・アルバム『Freedom Flight』、そして’74年の『Inspiration Information』を最後に表立った活動を全くしていなかったということで、今回の音源は21歳以降に彼が初めて発表する作品です。”Aht Uh Mi Hed” (=Out Of My Head) は『Inspiration Information』のオリジナルの4曲目で、個人的にはアルバムの中で一番好きな曲。ところでShuggieの発音はシュギーなのかシャギーなのか。どうやら “Sugar” から来たニックネームなのでシュギーが正解のようです。
そしてなんと、昨年秋からのツアーの一環で来日が決定。3月31日と4月1日にBillboard Liveにて。
“Inspiration Information” Tracklist:
01. Inspiration Information
02. Island Letter
03. Sparkle City
04. Aht Uh Mi Hed
05. Happy House
06. Rainy Day
07. XL-30
08. Pling!
09. Not Available
10. Miss Pretty *
11. Magic *
12. Things We Like To Do *
13. Castle Top Jam *
* = Previously unreleased
“Wings of Love” Tracklist:
01. Intro *
02. Special *
03. Give Me Something Good
04. Tryin’ To Get Close To You
05. Walkin’ Down The Country *
06. Doin’ What’s Right *
07. Wings Of Love *
08. Give Me A Chance *
09. Don’t You Run Away *
10. Fireball of Love *
11. Fawn *
12. If You’d Be Mine *
13. Black Belt Sheriff *
14. Destination You! *
* = Previously unreleased
今日の一曲 : 坂本慎太郎 “死者より(From The Dead)”
新春早々に公開されて話題となっている坂本慎太郎の新曲 “死者より(From The Dead)”。初のソロ・アルバム『幻とのつきあい方』から約一年振りとなる、1月11日リリースのシングル『まともがわからない』に収録の一曲です。生音オンリーでスカスカのミニマル・ファンクは中毒性高し。淡々と刻まれるドラムと、ディレイで飛ばされたホーンがたまりません。『まともがわからない』のタイトル曲はテレビ東京ドラマ24「まほろ駅前番外地」のエンディングテーマのために書き下ろされたた楽曲で、初回限定盤は坂本慎太郎が担当したドラマのオリジナル劇中音楽集が付いた2枚組でのリリース。
今日の一曲 : Gavin Bryars “Jesus’ Blood Never Failed Me Yet”
クリスマスを目前に控えた12/22のDJは、世間の賑やかな様と対をなすような、厳かな曲をたくさんプレイしました。Messiaen『世の終わりのための四重奏曲』、Chick CoreaとSteve Kujalaによる『Voyage』などから選曲したクラシカルな楽曲、Far East Family Band、Brian Enoらのアンビエントチューン、NEWPORTではよくかけるErik Satieといったラインナップとともにセレクトしたのは、現代音楽家Gavin Bryars「Jesus’ Blood Never Failed Me Yet」。
Gavin Bryarsはイギリスの作曲家。最初期の作品では、沈みゆくタイタニック号の甲板で、最後まで演奏を続けた楽団の曲を様々な証言や資料を元に再現した『The Sinking of the Titanic(タイタニック号の沈没)』がよく知られています。今回紹介する「Jesus’ Blood Never Failed Me Yet」は、1971年の作品。初出は、先の『The Sinking of the Titanic』のB面として、Brian EnoのObscure Recordsからリリースされたものです。荒廃したロンドンの様子を収めたドキュメンタリー(これはGavin Bryarsの友人が撮影し、Gavin Bryarsが音楽を担当している)に映っていた、ホームレスが口ずさむ宗教歌をテープループの手法を用いて繰り返し、そこにオーケストレーションをつけていくというこの曲は、前記のレコードに25分ほどの作品として収録されましたが、その後CDというメディアの台頭に合わせて70分を越える作品として1993年に再び録音、リリースされました。
1993年版には、オリジナルになかったTom Waitsのボーカルが最後のセクションとコーダに加えられており、今回NEWPORTでプレイしたのは、その部分です。鼻歌のように力のないホームレスの声に、徐々に寄り添ってゆくTom Waitsの嗄れた歌。静かに変化するオーケストラ。このパートだけでも20分近くありますが、なるべく長く聴いてもらおうと思い、途中で切らずに最後までプレイしました。曲が流れた瞬間から、空気が透き通るような神々しいこの曲は、年末年始に心落ち着けて聴きたいものです。静寂が支配する真冬の深夜に聴いたら、思わず涙しそうな一曲といえるでしょう。和訳は「神の血は決して私を見捨てたことはない」。久しく廃盤だったのですが、最近再発された模様です。
(青野賢一)
今日の一曲 : Herbert “You Saw It All (DJ Koze Mix)”
Herbertの実験性とポップさの融合バランスがピークに達した2001年の大傑作『Bodily Functions』が、新旧のリミックス音源を加えた2枚組の『Bodily Functions (Special Edition)』として再リリース。今回は収録されませんでしたが、当時出た12インチ『Addiction』には “The Last Beat (Emerson Kitamura Mix)” なんていうレアなヴァージョンもありましたね(そう、エマーソン北村さんによるリワークです)。2012年の新たなリミックスは『Bodily Functions Remixes』として12インチでも同時リリース。中でもバス・クラリネットやグロッケンシュピールっぽい生音が印象的な”You Saw It All (DJ Koze Mix)” が最高です。
“Bodily Functions (Special Edition)” tracklist:
Disc 1
1. You’re Unknown To Me
2. It’s Only
3. Foreign Bodies
4. Suddenly
5. I Know
6. Leave Me Now
7. The Last Beat
8. You Saw It All
9. On Reflection
10. About This Time Each Day
11. Addiction
12. I Miss You
13. It’s Only A Reprise
14. The Audience
Disc 2
1. Back To Start (Mr Oizo Non mix)
2. You Saw It All (DJ Koze mix)
3. The Audience vs Jamie Lidell & The Famous Szizlas (Music No Last)
4. Foreign Bodies (Plaid mix)
5. Leave Me Now (Recloose mix)
6. Foreign Bodies (Dave Aju mix)
7. Back To The Start
8. Suddenly (Phil Parnell’s Pianissimo Play Through)
9. Addiction (Nobukazu Takemura mix)
10. Leave Me Now (Richard Devine mix)
11. The Audience (Matmos Shifted My Tongue)
12. Addiction (Perry Farrel mix)
13. It’s Only (DJ Koze mix)
今日の一曲 : Yo La Tengo “Ohm”
1月15日リリースのYo La Tengoのニュー・アルバム『Fade』から、先日紹介した “Before We Run” に続きオープニング・トラックの “Ohm” が公開。このビデオに写っている木はアルバムのジャケと同じ木だということで、ポートランドのOverlook Parkという所にあるそうです。ところで『Fade』のヴァイナルのデラックス・エディションに付いているボーナス・7インチに収録の2曲のカヴァーはどうやら日本盤CDのボーナス・トラックになっている模様。どれを買うか悩みます。
年末年始の営業日のお知らせ
今年もたくさんのお客様にお越し頂き本当にありがとうございました!
年末年始の営業日は以下のようになります。2013年もどうぞよろしくお願いいたします!
12月23日(日)通常営業
12月24日(月・祝)休業
12月25日(火)〜 29日(土)まで通常営業
12月30日 〜 1月3日まで休業
1月4日(金)から通常営業(4日は12時オープン/祝日メニューとなります)
今日の一曲 : Falty DL “Straight & Arrow”
ディープ・ハウス寄りのベース・ミュージックで知られるニューヨークのプロデューサーFalty DLが、PLanet Muからの『You Stand Uncertain』に続くフル・アルバム『Hardcourage』をNinja Tuneからリリース。日本盤が先行で12月22日に発売となります。『Hardcourage』はこれまでよりさらにディープかつアトモスフェリックな印象で、アルバム終盤にはかなりチルアウトなトラックもあり。先月出たファースト・シングル “Straight & Arrow” はその中でも最もガラージっぽい曲。ビデオも最高過ぎる。と思ったら監督は真鍋大度でした。