3月3日にリリースとなるQuantic & Alice Russellのアルバム『Look Around The Corner』から、タイトル曲が先行シングルとして10インチで出ました。日本盤の発売元のBeatinkのサイトに解説があるように、ラテンではありますが60年代のChessからの影響、というかズバリRotary Connectionを彷彿とさせる名曲です。シングルに続いて公開された同曲のセッション映像がまた素晴らしい。10インチはまだ各ヴァイナル・ショップの店頭に並んでるはずなのでチェックしてみてください。
今日の一曲:Rufus Wainwright “Montauk”
Rufus Wainwrightの4月23日リリースのニュー・アルバム『Out Of The Game』は、なんとMark Ronsonがプロデュース・・・ってほんとに!?この二人が僕には全く結びつかないんですが。そこからの最初のシングル曲 “Montauk” は、これまでのRufusらしいヴォーカルとピアノに控えめなプログラミングがマッチしてますね。Stereogumのインタビューによると、新作は今までで最もポップなアルバムになるようです。
今日の一曲:Michael Kiwanuka “I’m Getting Ready”
BBCの「Sound Of 2012」を受賞したMichael Kiwanukaというアーティスト。誰がどう聴いても素晴らしい才能ですね。現代版のTerry Callierとでも言いましょうか。昨年リリースされていたシングル “I’m Getting Ready” のビデオが最近公開されてようやく彼のことを知ったのですが、今年1月にはニュー・シングル “Home Again” が出ていて、買ってみたらこれも全曲素晴らしかった。そしていよいよ3月20日にアルバム『Home Again』がリリースされます。僕は気合いを入れてアナログ盤を予約しました。
ウェブで公開されている曲はどれも本当にため息ものです。
今日の一曲(中村義響): The Novotones “Porque Te Vas”
2月18日のNEWSOUNDはJET SETの中村義響君がDJでした。普段はかけないような曲も沢山かけてくれたようで、予想以上に幅の広い選曲が楽しかったです。NEWPORTでは初めてかかったDrakeが意外としっくり来て新鮮だったのですが、こんな曲あったのかと驚いたのがこちらの一曲。
オリジナルは『カラスの飼育』のサントラに使われて有名なJeanetteの’76年の曲で、このNovotonesというドイツのユニットによるカヴァーは2001年に出たコンピレーション『Leichtes Hören Teil 1』に収録。このアルバムはKompaktのJörg Burgerがコンパイルしていて、他にはこの頃のラウンジーなエレクトロニカがいろいろ入ってます。
今日の一曲:Kindness “SEOD”
先日Lighthouse Recordsで買ったKindnessというアーティストの12インチがすごく良かったです。この人はUKのエレクトロ・ポップのアーティストで、昨年 “Cyan” という曲がヒットしたらしい。今回の “SEOD” と言う曲は、MortorbassやCassiusのメンバーでもあるフレンチ・ハウスのベテラン・プロデューサー、Philippe Zdarがプロデュース。このチームでアルバムも準備しているとか。男性ボーカルのシンセ・ディスコで久しぶりにいい曲を聴いた気がします。5分あたり以降のホーンが入ってからの展開とか最高です。
今日の一曲:The Kills “Pale Blue Eyes”
2月21日に出るThe Killsのシングル『The Last Goodbye』の10インチのB面に収録されるVelvet Undergroundのカヴァー。ギターがヤバいですね。タイトル曲もそうですが、これぐらい抑えた演奏の方が好みです。
“The Last Goodbye” のビデオクリップ。監督はサマンサ・モートン。
今日の一曲:Burial “Loner”
Burialの待望のニューEP『Kindred』から、”Loner” のビデオが公開されました。EP収録の3曲はリリース元のHyperdubのサイトでフル・ストリーミング可能です。個人的には “Ashtray Wasp” にやられました。またもやダブステップをアップデートする問題作ですね。
前作『Street Halo』と共に2枚のEPをカップリングした『Street Halo / Kindred』が日本盤オンリーでCDリリースされています。
Burial – Loner from Miguel Bidarra on Vimeo.
今日の一曲:Quakers “Fitta Happier”
PortisheadのGeoff BarrowがQuakersというユニットでヒップホップアルバムをStones Throwから出すというニュースが先日アナウンスされましたが、そのアルバムから最初のトラック “Fitta Happier” が公開されました。Fuzzface(Geoff Barrowの変名)、 7-Stu-7(Portisheadのエンジニア)、そしてオーストラリアのプロデューサーKatalystの3人が、新旧さまざまなMCを迎え、総勢35人のプロジェクトとして41曲入りのアルバム『Quakers』を3月27日にリリース。この曲はブラスバンド・ネタですね。
Quakers – Fitta Happier by Stones Throw Records
http://soundcloud.com/stonesthrow/quakers-fitta-happier/s-VfMKb
3月3日(土)真っ青な女たち
2012年最初の真っ青は、女性ボーカルものオンリーで選曲します。桃色ではなく青いムードです。
みなさまお待ちしております!!
「真っ青な女たち」
3月3日(土)19:00 – 24:00 @ NEWPORT
選曲:真っ青
チャージ・フリー
*先着30名様に真っ青によるミックスCDを差し上げます。
*女性アーティストによるインストもかかる場合がありますのでご了承ください。
<真っ青>
クラブのみならず、ファッションショーやホテル、 ショップ、カフェなど、およそ音楽と触れ合うことが出来る空間すべてに良質な選曲を提供してきた山崎真央(gm projects / AKICHI RECORDS)、鶴谷聡平(NEWPORT)、青野賢一(BEAMS RECORDS)の3人が結成したユニット「真っ青」。20年以上のDJキャリアに裏付けされたスキル、レコード・CDショップのバイヤー経験がもたらす豊潤な音楽的バックグラウンド、そしてアート、文学、映画などにも精通する卓越したセンスから生まれるそのサウンドは、過去、現在、未来に連なる様々な心情を呼び起こし、聴くものの目前に景色を描き出すものである。リミックスを手掛けた「中島ノブユキ/Thinking Of You (真っ青Remix)」 はまさに青いサウンドスケープ。
今日の一曲(馬場一浩):Los Lobos “Jockey Full Of Bourbon”
オリジナルはご存知、Tom Waitsの1985年発表のアルバム『Rian Dogs』収録曲。
Tom Waits自身も出演の映画『Down by Law』に使われていて、
映画の世界観にマッチしていました。個性的で独特の雰囲気を持ったダメ男達の生き様がいいですよね。酔いどれ詩人Tomには、音楽はもちろん、人物に憧れる男子は結構いますが、僕もその一人。この機会にちょっと調べてみたら、ちょうどこの映画出演時のTomは、今の僕の年齢と同じのようだから、ショックです。こんな渋くて深みのある男には到底なれないんだなと。。。
さて、そんな、Tom Waitsが大好きな僕ですが、Los Lobosも好きです。ロックにメキシコ音楽の要素を混ぜ込んだサウンドがご機嫌です。何かと何かの狭間から生まれる文化の融合的なものが常に世の中の新しい価値観となってきたと思います。この二組の感覚は、ボーダレスな現代を代表するものなのではないでしょうか。
(馬場一浩)
Los Lobosがカヴァーしたヴァージョンのストリーミング。
映画『Down by Law』から”Jockey Full Of Bourbon”。